「福島県学校公演。」
川崎での8日間のイベントから数えて、今日で11日間演奏が続いている。
タブラの吉見さんのツアーで鍛えられたとはいえ、さすがにつらい。
『こんなに演奏が続いて、きっといまに弾けなくなる。』とは思わずに。
『こんなにたくさん弾き続けたら、三味線上手くなるぞぉ。』と思うようにしたら、
不思議と続いている。
演奏も上手くなってきたような気がしてきた。
福島県文化センターが行う小中学校での学校公演事業に、
一昨年から参加させていただいている。
今年は4日連続の日程。
今日は三日目、郡山市の中学校での演奏。
今日の体育館は反響がすごい。
サウンドチェックすると、パンパンパンと三味線の音が大音量で反ってくる。
福島文化センターの斉藤さんと二人で、カーテンを閉めたりスピーカーの位置を
変えてみたり、いろいろ工夫をしたが、やっぱりすごい反響音。
仕方ないのでとにかく客席の音は斉藤さんに任せて、私は演奏に集中することにした。
演奏が始まると、
「あれ?」
「いい音じゃないか。」
不思議。
サウンドチェックの時とちがい、自然なあまい音色。
反響音も少なくなってる。
演奏終了後斉藤さんに、「どうやったんですか。」と聞くと。
私に向けたモニタースピーカー以外、全部音響装置を切ったそうだ。
朝から一人で重い機材を運んでセッティングしてサウンドチェックして。
そんなに苦労したのに音響を切ったなんて。
いくらその方がいい音だからといって。
なかなか出来ないことだ。
より良い音の為にはなんでもしようというその想いに、職人を感じた。
今日の中学生達は集中力を持って真剣に聞いてくれた。
よく聞いてくれると三味線の歴史や解説、お話しもうまくいく。
そして最後は思いっきり盛り上がって、生徒達はみんな笑顔。
喜んでもらえた。
斉藤さんのおかげ。
さぁあともう一日。
演奏を聞いてくれる明日の生徒達の笑顔の為に、最善を尽くそう。
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