『伯父さんのお葬式。』
いわきのお稽古の次の日、福島県田村市の伯父さんのお葬式に出席。
朝7時から枕経。8時出棺。火葬場から葬祭場に行ってお昼から告別式。
導師は私のいとこの同級生。
銅鑼や鐘や木魚を使いながらの、一時間の読経。
もう目や耳や口の感覚は失せて、この世の煩わしい執着が消え失せる。
伯父さんに対して説いているお経を聞いているうちに、私も安らかな気持ちになってきた。
私のいとこが、弔辞を述べる。
祭壇の遺影にまっすぐに向かい、両手を伸ばし。
『親父さん!ぼくはあなたの子供に生まれて、しあわせでした。』
その話し方仕草。
小学生の頃の、そのまま。
私は涙を堪えることが出来なくなった。
いとこが無性にいじらしく、いとこの頭や背中を撫でてやりたいような衝動にかられた。
いとこは伯父さんが亡くなってから出棺までの四日間、毎晩伯父さんの隣で一緒に寝ていたそうだ。
休憩後、また三日七日法要の読経。
そして伯父さんの遺影を囲んで、みんなでの会食。
いとこも遺族も、久方ぶりに会う人たちと、自然と笑顔になる。
私はずっといとこのとなりに座り、背中をさすっていた。
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