『長野へ。』
早朝、いわき駅から「スーパーひたち」に乗る。
行き止まり式の上野駅地平ホームに到着。とても懐かしい。
新幹線が出来る前は、いつもこの上野駅地平ホームから
夜行列車で弘前に向かった。
通芳と合流。
新幹線で長野へ。
長いトンネルを抜けて軽井沢駅を過ぎると、浅間山がきれいに見えた。
長野駅前のホテルにチエックインしてから、通芳と善光寺に。
お戒檀巡りをする。
本堂の脇から真っ暗な地下に入り、ご本尊さまの錠前に触れることが出来れば、ご本尊さまと結縁することが出来、幸福になれるという。
階段を降りて右に曲がると真っ暗になる。
私が先に暗闇に入る。
真の暗闇。
目を開けても閉じても、暗黒の世界。
後ろから来る通芳が、やたら「うわっ!真っ暗だ。真っ暗だ。」と言ってる。
やっぱり恐いのかな?と思うと、可笑しくなる。
何度かコの字に曲がる。
前の方で金具をガシャガシャしている音が聞こえる。
前の人が極楽の錠前を見つけたのか。
進んで行っても、なかなか錠前に触れられない。
「もう錠前の前をを過ぎてしまったのか?」
と思っていたら。
「あった、あった。」
錠前をガシャガシャしていると。通芳が後ろからドンとぶつかってきた。
通芳にそっと錠前を触らせる。
私がもう明るいところに出ているのに、通芳はまだ錠前をガシャガシャしていた。
よほどうれしかったのか。
寿司屋で一杯。
その後夜の長野の街を、二人で彷徨する。
通芳の関心はもっぱら、古本屋のマンガとCD。
街角に、イギリスの二階建てバスが、そのまま食べ物屋になっているお店があった。
通芳はその前で、ずっとメニューを見ている。
『この店に入りたいの?』と聞くと、首を横に振る。
なーんだ。
中学生の頃とぜんぜん変わってない。
『入るよ。』
私が先にバスのお店に入って行った。
二階に昇ると、バスはゆらゆら揺れる。
お客は、私たちしか居ない。
男二人で、大盛りパフェを食べた。
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