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2011年10月21日 (金)

『時が止まった街。』

福島文化センターの事業で、福島県内の小学校二ヵ所中学校二ヵ所を
演奏と講演をしてまわることになった。
昨日は相馬町の小学校に行った。
前日、福島市内のホテルに前泊。

福島市内は、避難していた地区とあまり変わらないぐらい高い放射能と聞いた。
駅前の大きなショッピングモールを歩く。
高校生もお母さんもおばあさんも、ショッピングしている。
でもなんか暗い。
最初は節電で照明が暗いのかと思った。
人が少ないせいなのか。

翌朝、早くから山越えの国道を相馬に向かう。
朝日、青空、美しい山々。
国道工事中で片側交互通行で、しばしば止まる。
そのたびに、演奏時間に間に合うんだろうかと、あせる。

相馬の小学生達は、とても素直。
夏、宵祭りの『やーやど』の掛け声は、全力でかけてくれた。
演奏後、校長先生とセンターの人達とお茶をのむ。
相馬の町は、なんかのどか。
津波のことも、放射能のことも、なにもないみたい。
小学校の校庭では子供達が遊んでいる。
校長先生のお話しでは、校庭を除染したので、校庭で遊べるそうだ。

帰りは校長先生に教えていただいた、飯館を通る道で帰る。
小学校から3分ぐらい走ると、奇妙な光景が。
田んぼの真ん中に大きな漁船。
石油タンク。
ボートが。
相馬は少しものどかじゃあなかった。
間もなく原ノ町。
そして、飯館に入る。
飯館牛の直売センター。
大きな紳士服店。
ショッピングセンター。
小さな理髪店。
美味しそうな民家風の蕎麦や。
思わず入りたくなる。
でもどの店も、人がいない。
よく見るとどの店も営業していない。
国道はトラックでいっぱいなのに、街は誰もいない。
一人もいない。

この街は、3月のあの日から、時間が止まってしまったんだろうか。
運転しながら、なぜか涙があふれてきた。
こんなさみしい光景があるのか。
さみしくて、哀しい。
放射能で全世界の人が全滅してしまう映画、『渚にて。』
人が一人もいなくなったサンフランシスコの街の場面が、思い起こされた。

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