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2010年1月25日 (月)

『精霊の住むところ』

釧路 百歳座での『佐藤通弘津軽三味線独演会第二夜』。

第二夜は、弾きはじめから音の中に入り込んでいった。


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弾いている意識がほとんど無い中で、『ごごー!』と、舞台の足元から
振動が伝わってきた。

『前の道路を、大きなトラックが通ったのかなぁ。』と思っていた。

ところが演奏後の小林さんの話しが『今夜の地鳴りはすごかったですねぇ。』。

このジスイズ百歳座では、いい演奏やパフォーマンスがあると、地鳴りが
してくるのだそうだ。
高名なジャズミュージシャンの間でも、このジスイズは『精霊がいるところ』
ということで有名だ。
ジスイズで演奏すると、特別な演奏が出来る、不思議なところだというのだ。
私もジスイズでは、ここでしか出来ない不思議な演奏が、何度あったことだろうか。

東京から、この演奏を聞きに来ていただいていたお客さまが、演奏後に
『不思議なことがありました。』とのこと。

『演奏中に入口の扉がそっと開いて、静かに入って来た人影がありました。
そして私の隣に確かに座りました。ところが曲の間に、誰が来たんだろうと
隣を見ても、誰もいないんです。』

ジスイズは精霊の住むところ。

今夜の私の演奏は、ジスイズの精霊に気に入ってもらえたのだろうか。


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2010年1月24日 (日)

『最果ての街。』

お昼前にホテルを出て、釧路の街を歩く。
街中、雪と氷に覆われている。
道はスケートリンクみたいにすべる。
人がほとんど歩いていない。
シャッターが閉まっているお店が多いからか。

七年前、通芳と釧路に来た時に入った、駅前のうどん屋に入る。
その時は開店したばかりで、お年寄りの夫婦が慣れない手つきで
一生懸命うどんを作っていた。
これから、やっていけるんだろうかと心配してたけど、お店の中には
いっぱいお客さん。
おじいさんが張り切ってうどんを茹でていた。

よかった。

パン屋のカフェテリアに入ってお茶を飲む。
コーヒーがなんと180円。
コンビニで水を買うと2リットル88円。

なんか釧路の街は安いものが多い。
そういえば、うどんもすごい安かった。

ジスイズでジャズを聞きながら紅茶を飲む。

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LPレコードに針を落として、大きなスピーカーで聞くジャズはまた格別。
小林さんに、初めて私が釧路に来た時の写真を見せてもらう。

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16年前、大野一雄先生の『わたしのお母さん。』公演の時だ。

私も若かった。


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次の年からジスイズでの、私のライブが始まった。
毎回狭いジスイズにいっぱいのお客さまで、『酸欠ライブ』などと呼んでいた。

小林さんと、次回のライブの話しをする。
私が『次回は、ろうそくの明かりでしたらどうでしょう。』と言うと、
小林さんは『月明かりの中でやりましょう。』とおっしゃる。

『百歳座の舞台の後ろにある窓から、満月の夜にちょうどいい
月明かりが入るんですよ。』なるほど、それもいい。

大野先生の百歳の椅子を作られた、自然木家具作家の勝水さんが、
今度は『佐藤通弘の椅子』を作ってくださるそうなので、
次回は満月の夜に窓から月明かりがさす中、ろうそくの明かりで、
勝水さんの作った『佐藤通弘の椅子』でやりましょう。ということになる。

小林さんが二枚ある虎の版画のうち一枚を私にくれた。

その版画の虎には目が入っていない。
『次回のそのライブを成功させた時に、二人でこの虎に目を入れましょう。』と、
またがっしりと熱い握手。

『よし!!』次回のそのライブを成功させるためにも、今夜の第二夜をがんばらないと。

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2010年1月23日 (土)

『佐藤通弘津軽三味線独演第一夜』

千歳から『スーパーおおぞら』で三時間半、最果ての街釧路に入った。

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今夜は、ジャズ喫茶ジスイズの二階にある、百歳座において
『佐藤通弘津軽三味線独演第一夜』。


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深くて熱い、ジスイズのマスター小林さんと、ジスイズのお客様達。

ここは演奏をとことん追及出来るところ。

開演前の会場は誰も話しをする人もなく、シーンと静まりかえっている。
お客様が誰もいないんじゃないかと思うくらい。

三味線をかかえて舞台に出ると、会場にはいっぱいのお客様。
そしてすごい圧力の拍手。

演奏がはじまると、お客様達の集中力が、三味線の音色一点に集まってくる。
もう、曲間の話しもいらないや。
一曲目は23分間、一気に弾いた。

またもすごい圧力の拍手が終わらない中、そのまま調弦を三下りにして津軽音頭。

一曲目を弾きはじめる時から、右手首が痛くなってきていた。

『あー、どうしよう。このまま思いっきり演奏したら、今夜からまた手首がはれて、
明日の第二夜は三味線を弾けなくなるに違いない。かといって手を抜いて演奏をしたら、
このお客様達にわからないはずがない。そしてお客様達の気持ちを裏切ることになる。』
そう思って一心に弾いているうちに、だんだんわけがわからなくなってきた。

自分の意識が自分の体から離れて、客席の後ろのあたりに行ってしまった。
舞台の上では、かってに私の体が演奏を続けている。
意識が体を離れて、音と一緒になって客席をまわっていく。
舞踏の大野一雄先生と共演させていただいた時には、よくこのようになった。

そういえば演奏中、今座っている椅子は『大野一雄百歳の椅子』。


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大野先生の魂が一緒に踊っているのだろうか。

話しはほとんど無しで、三味線弾きっぱなしの1時間10分。

一気に弾き終わると『ハッ』と、我に帰る。ほんの少しの間は
『私は誰?ここはどこ?』という感じになる。

アンコールをいただいて荷方節を弾き終えると、小林さんの熱い抱擁と、
お客様達のなりやまない拍手がおそってきた。


手首の痛みはいつの間にか、うそのように消えていた。

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2010年1月22日 (金)

『暗夜行路』

午前5時、家を出る。

外はまだ真っ暗。
電車を待つホームはすごく寒い。
これからもっともっと寒いところまで行くのに。

やっと電車が来る。
電車の中もなんか寒い。
暗夜に旅立つ不安からか、窓の外の暗やみがやけに黒く見える。

東京駅から東北新幹線『はやて』で八戸駅まで。


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日暮里で地上に出ると夜が明けていた。
那須連峰が左手に見えるころ雪景色がはじまった。

八戸駅からは『スーパー白鳥』。


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吹雪は完全に真横に降っている。
そのすざましい吹雪の雪原を、白鳥号はものすごくかっ飛ばす。


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揺れがすごい。
車内販売のお姉さんが、カートごと左右のシートにぶつかりながら通って行く。
いまに脱線するんじゃないかと心配になるけど、なんか気持ちがいい。

こんな吹雪の中を、一生懸命頑張って走っている『スーパー白鳥』から、
『私も頑張らなきゃ。』って元気がもらえる気がする。

青森駅で6分停車して方向転換。
お弁当を買う。

『陸奥ほたて弁当』。

函館駅で『北斗』に乗り換え。


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今日の終着駅千歳まであと三時間。
酒々井駅から乗り換え時間を入れて約12時間。

さすがに背中が痛くなる。
千歳駅着、外はもう暗い。長い長い暗夜行路。


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最果ての街釧路は、まだ遠い。

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2010年1月17日 (日)

『半年間の成果。』

いわき市の助成を受けて半年間、月二回の津軽三味線ワークショップを、
昨年8月から行ってきました。

そして昨日、いわきアリオスホールのコンサートで、その成果を発表しました。


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三味線をさわったこともない初心者を、半年間でコンサートで弾けるようにする。
しかも「プロの出演する有料のコンサートに、出演出来るように。」とのこと。
この企画を聞いた時に私は、「これは大変なことだ。」と思うと同時に、「この
大変なことに、ワークショップを受ける方たちと共に挑戦してみよう。」と思ったのです。


まずバチの持ち方から始めるのですから、ワークショップを受ける方たちの
三人に一人は脱落するのではないかと思っていました。
ところがワークショップ参加者13名、すべて方がコンサートに出演出来たのです。
参加者13名中、初心者は10名でした。

コンサート第一部はワークショップ参加者中、三味線経験者三名と私で
合奏曲『あどはたり』で開幕。その後は私のソロ、通芳とのデュオ。
サクスホーンの梅津和時さんソロと続きます。
そして第二部はいよいよワークショップ参加者全員で『りんご節』。
続けて『ドダレバチ』の合奏。『ドダレバチ』の途中からは梅津さんが
演奏に加わりました。


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会場はすごい盛り上がり。演奏中のワークショップ参加者の皆さんの、
真剣な顔。私も一緒に演奏していて、気持ちが込み上げて来ます。
そして演奏後の皆さんの嬉しそうな、そして誇らしげな顔。


舞台はお客さまも出演者も、『共に共感するものだ。』と、改めて感じました。

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2010年1月 1日 (金)

謹賀新年!!

皆さま明けましておめでとうございます。


本年も佐藤通弘の応援よろしくお願い致しますpaper


◇スタッフT◇

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