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2008年11月 4日 (火)

「酒游舘 ライブレコーディング。」

昨夜は酒游舘で、15回目のライブ。
そしてライブレコーディングをしました。

私にとって、ライブレコーディングは初めての経験でした。

今までレコーディングは、すべてスタジオでしています。
私の場合、スタジオでレコーディングしたCDの演奏と、
お客様の前でするコンサートやライブでの演奏とは、
きっと違うものなんだと思います。

スタジオでの演奏は、テクニック的に間違わないように
ていねいに弾いているので、きれいでミスがほとんど無く
録ることが出来ます。
しかしライブレコーディングだとライブ感はよく録れると
思うのですが、私は演奏に入り込むと、どれだけミスを
してしまうのかわかりません。

ですから今まで、ライブレコーディングはしたことがなかったのです。
今回はいったいどうゆう録音になるのか、それがこわくもあり、
また楽しみでもありました。

一部の演奏が始まりました。
針の落ちる音も聞こえそうなほどのすごい緊張感。

私の緊張がお客様にうつったのか、ライブレコーディングということで
緊張されたお客様の緊張が私にうつったのか。
こんな緊張感は久しぶりです。息もできないくらいです。
その緊張感を反映してか、三味線の音色が硬く響きます。
『これじゃいけない。』と思いつつも、肩も手首も硬くなります。

でも一部最後の曲『津軽よされ節』を弾きはじめると、だんだんに
演奏の中に入り込んで行くことができました。

三味線を弾いている意識がなくなり、レコーディングしていることも、
ミスをしないようにしなきゃという気持ちもみんな飛んでいきました。

するとお客様も、今までの緊張感も硬さもすっ飛んで、曲中にも
すごい掛け声と拍手。

やっといつものライブ演奏になりました。
休憩後の二部の演奏は、ミスもレコーディングも意識しなくなっていました。

今回ライブレコーディングしたこの音源は、来年酒游館レーベルとして
リリースする予定です。きっとミスもたくさんレコーディングされていると
思います。三味線をなさっている方のお手本にはならないでしょう。


でもライブ感だけは、ふんだんに入っていることでしょう。

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2008年11月 2日 (日)

「一番の幸せ。」

今日はお弟子さんを教えに、新幹線で大阪に向かっています。
とても穏やかなお天気。
新横浜駅を出ると、田んぼの向こうの霞みのなかに富士山と
丹沢の峰々が浮かんでいます。

110201

若い頃の私は、三味線を教えるのが嫌で嫌で仕方がありませんでした。

『私は演奏家であって、三味線の教師じゃないんだ!』という思いがあり、
イヤイヤ教えていたのです。
今思えば、その頃のお弟子さん達には大変申し訳ないことをしました。
私はこれまで35年間もの長い間三味線の演奏を続けてこれましたのも、
若い頃から私の師匠をはじめとしてたくさんの方々に支えられてきたからです。
その私が今度は、これから三味線を学ぼうとしている方々に、私の出来ることで
お返ししなければならないはずです。
そしてこの頃さらに思うことは、お返しをするとかということではなく、
『私を求めている人がいる、私を必要としている人がいる。』そのことが、
人としてどんなに幸せなことであるか。ということなのです。

演奏家のプロとアマチュアの違いとは?ということに対して。
むかし私は『演奏のうまい人がプロなんだろう。』思っていました。
でもこの頃、『聴衆のためお客様のために演奏するのがプロの演奏家。
自分のために演奏するのがアマチュアの演奏家。』なのではないかと
思うようになりました。

私の演奏を聞いてくださるお客様がいる。
私を必要としてくれるお弟子さんがいる。

これが私自身の、一番の幸せなのです。

110202


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