「月日は百代の過客にして・・・」
上野発札幌行きの北斗星号に乗って、釧路に行きます。
福島県に入る頃から、車窓は雪景色になりました。私は日々
旅の中にあります。
時には今回のような遠くまでの旅。
また時には一時間足らず近い旅。
三味線の演奏の為にいろいろな旅をします。
そのいろいろな旅の中にある私に、安らぎすら感じます。
むかし演歌のショーのゲストに呼んでいただいた時に、ある
高名な姓名鑑定をなさる方が楽屋にいらして、私の名前を
みてくださったことがありました。
私の名前はその方によりますと、『何をやらせても3日ともたず、
同じことを続けることが出来ない。
大凶です。
ただ、針の先のように繊細さがある名前です。』とおっしゃいました。
なるほど私は学生の頃からアルバイトでも3日続けないうちに、
嫌になってしまったり風邪をひいてしまったり、一週間と続きま
せんでした。
三味線の演奏を始めてからも、演劇の仕事のように、同じ会場で
同じことを10日20日一ヶ月と続けるような時には、つまらない毎日
で気が狂いそうになったことがありました。
私は日々違う会場、違う内容、違う方々の中でということで、
新鮮な気持ちで三味線の演奏を続けることが出来るのだろうか、
と思いました。
雪の行路をひた走っていた列車は、いつのまにか止まっています。
青森信号所です。
機関車を交換して函館を目指します。
『月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。』 松尾芭蕉
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