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2007年6月15日 (金)

「40年ぶりの授業参観。」

今日は、「高知市文化プラザかるぽーと」の小ホールでのコンサート。
共演者はタブラ奏者、吉見征樹さんです。

飛行機で高知入りした吉見さんと二人、お昼過ぎから
ゆっくりサウンドチェック。
そして楽屋で開演時間を待ちます。

その時に吉見さんに、昨夜父が逝ったことを話しました。
吉見さんは私の父と面識がありました。二人でしみじみと、お互いの
父親の話しをしました。

私も芸人。
芸人は親の死に目にも会えないと前から覚悟はしていましたが、
昨夜はホテルに私一人。誰にも言えない心の苦しさ。さすがに眠れない
一夜を過ごしました。でも吉見さんと父の話しをしたことで、私の心は
だいぶ楽になりました。

さあそれでは仕度をしようと、何気なく客席を映すモニター画面を
見ますと。客席の最前列にポツンと一人だけ、年配の男性が座っています。
『こんな早い時間からもう来場して下さっているお客様が。』と思いました。
でも『あれ?まだ開場はしていないはず。へんだなぁ。』と思い、モニター
画面をもう一度見直すと、誰も客席には映っていませんでした。
『もしかしたらお父さんが?』そう思ったとたん、私の沈みきった気持ちが、
不思議にウキウキして来たのです。

『お父さんが見に来てくれた!』まるで小学校の授業参観にお父さんが
来てくれた時のように。
演奏前に、私の心は救われました。吉見さんと、そして私の父に。
演奏が始まり、最初にモニター画面に映っていた年配の男性が座っていた
席を、私は舞台からさがしていました。

最前列の他の席はみな埋まっているのに、その席だけは、コンサートが
終わるまで空席のままでした。

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