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2007年1月28日 (日)

「少年の旅立ち」

今日は奥三河の新城という所へ向かっています。
新城へは、豊橋で東海道新幹線から飯田線に乗り換えます。
私は一番前の運転席の後ろに乗り、景色を眺めていました。
駅に到着すると、運転士さんが立ち上がりドアの開閉操作を
するのです。普通ドアの開閉操作は車掌さんがするものですよね。
駅に電車が着くと、運転士さんがドアを開ける前に、車掌さんが
小走りに改札口あたりに行きます。そして車掌さんが改札口で
降りるお客の切符を回収するのです。
飯田線のほとんどの駅は無人駅です。だから車掌さんが無人駅の
駅員のかわりをするのです。そのコンピネーションの絶妙なこと。

途中の小さな駅から、リュクサックを背負った少年が乗り込んで
きました。年の頃は小学生高学年くらい。普段は半ズボンを
はいているのに、旅をするために長ズボンを初めてはいたという
感じの、新しい白い長ズボンをはいて。小さな体に、リュクサックが
大きく見えて重たそうです。電車の中で、風景や車内をあちこち眺
めたり。不安もあるけど、ウキウキ楽しいという感じが伝わります。

彼を見ていたら突然、私の胸の奥がきゅー、としてきました。
私の40年前の、初めての一人旅を思い出したのです。私が福島の
母親の実家まで、初めての一人旅をしたのは小学三年生の冬休み
でした。やはり初めてはく新しい白い長ズボンをはいて。
上野駅までは、父に送りに来てもらいました。
動き出す列車の窓から、心配そうな顔で見送る父に手を小さく振りました。
その時、私の胸の中は、不安と期待ではち切れそうでした。
途中何回も、何度もいろいろな人に声をかけられました。
車掌さん、同席のお客さん。

「何処まで行くの?。」
「何か困ったことは無い?。」
「おじいちゃんは何処まで迎えに来てるの?。」

その大人達の一言がなんと心強かったことか。初めての一人旅であるのに、
何も不安を感じることなく、おじいちゃんに所に着くことが出来ました。
そんなことを思い出しているうちに、飯田線の電車は新城駅に着きました。
この電車は新城で終点です。

少年はさらに飯田方面に乗り継ぐようで、そのままホームのベンチに座って
います。その風情が何となく寂しそう。私はホームから改札口に向かい、
跨線橋を昇りかけました。
その時、40年前には少年だった私が、もうすでに私の一人旅の時に声をかけて
くれた大人達の年齢になっていることに気が付きました。
ホームに戻り、私は少年に声をかけました。

「何処まで行くの。」


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2007年1月20日 (土)

「盛岡市民ホール」

今日は盛岡市でのコンサートです。
盛岡市、私のコンサートとしてはお初の御目見えでした。
ホールはサントリーホールのようなクラシックのホールで、とてもいい
響きを持ったホールです。
舞台上正面には大きなパイプオルガンがありました。
私の演奏によって、この大きなパイプオルガンが、お客様方に恐山の
さいの河原に見えたり、ねぷた祭りの跳ね人に見えたりするような
演奏が出来ればいいなぁ、と思いました。
お客様方は品のいい中年の方が多く、とても落ち着いた雰囲気でした。

コンサート前半、いつもの私のコンサートのように、緊張感のある曲と
話しをさせていただきました。その時のお客様方の集中力は昨年
釧路でしたライブに匹敵するくらい、息詰まるくらいのものでした。
「このままコンサート後半になっても、このすごい緊張感がほぐれなか
ったらどうしよう」。と、心配になるくらいでした。
ところが後半、緊張感をはじけさせるような曲をはじめたとたん、
お客様もたちまちはじけました。それもすごいはじけ方で。
さすが南部の、東北のお客様と思いました。

かつて津軽の芸人達が一座一行を組んで、東北地方北海道、戦前は
樺太まで興業をして回っておりました。私が弘前で内弟子をしていました頃、
この盛岡近くにも興業で師匠と共に参りました。
その頃のお客様方は、曲のいいところではまるで会場に誰もいないが如く、
しーんと水をうったように静まりかえり、曲のクライマックスに来ると、
会場いっぱいの割れんばかりの拍手喝采w)。
お客様方はまことに心得てたものでした。

今夜のお客様方は、その頃のお客様方を思い起こさせるようでした。
曲のここぞというところでは、すごい緊張感。そしてクライマックスではあたた
かい心よりの拍手喝采を惜しみなく。これらはすべて私の師匠山田千里を
はじめとする、津軽の芸人の先人達のおかげです。
先人達が命をかけて演奏して、このあたたかいお客様方を作ったのです。
私はここ盛岡で、その先人達の恩恵を一身に受けました。
はれやかな、歓びに満ちた舞台を味わいました。自分の芸に、命と誇りをかけ
て演奏した津軽芸人の先人達に、そしてこの素晴らしいお客様方に、私は
心よりの感謝を捧げます。

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2007年1月 1日 (月)

「謹賀新年」

明けましておめでとうございます。
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年に引き続きのご贔屓を、私 こと佐藤通弘に賜わりますことを。
また、「時々日記」のご愛読をいただきますことを、御願い申し上げます。

静かなお正月、私は好きです。

正月はゆったりゆっくり、心静かに過ごす。
正月には怒らない、泣かない、争わない。
もしそんなことをしたら、今年一年中怒ったり泣いたり、争っていなきゃならない。
という日本の古来からの考え方が好きです。

だからお正月は人の往来も、車の走り方もゆったりゆっくり。歳末のあわただしい
雰囲気が嘘のよう。お正月にはきちんとした服装をして、挨拶周りや神社仏閣に
行きます。きちんと服装をすると、気持ちまで違ってきます。
私は中折帽子をかぶり、スーツを着ると。なんか背筋がスーっと伸びてきます。
そしてきちんとしたことがしたくなります。
日本中みんなニコニコいい人になります。だからお正月は交通事故も犯罪も
少なくなります。

こんないいお正月、一年中あればいいのに。そう思います。

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謹賀新年

明けましてオメデトウございます。
本年もご声援のほど宜しくお願い申し上げます。

管理人

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