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2006年6月20日 (火)

「峠の力餅」

~通弘の小話 その1~

列車で山形に向かう時、福島を過ぎると板谷峠を越えます。

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ここは昔から交通の難所であります。今から二十数年前、私が弘前の先生の所に
向かう時も、よくこの峠を越えました。福島駅からは、機関車の前にさらにもう一両
の機関車をつなげて、峠に挑みます。やがて連続した急坂を登るうちに、列車はま
るで人が歩くような速度にまで落ちてしまいます。「はたしてこの列車は、この峠を
越えることができるんだろうか?」と、不安になりました 。やっとの思いで峠の駅に
たどり着きます。駅のまわりは山また山。人家もなく乗降客もなく、停車している列
車はしーんと静まりかえっています。すると窓の外からしぶーい声が聞こえてきます。
「ちからもちー。」「ちからもちー。」峠の力餅の売り声です。素朴な手作りの大福餅。
それを、旅の無聊を慰めようとする旅人達が、先を争って買い求めるのでした。

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今は、板谷峠を越えるのは、新幹線電車です。
その昔、あえぐようにして登っていた峠を、あっという間に通り過ぎてしまいます。
そして「峠の力餅」は、今でも新幹線の車内販売で買うことができます。新幹線の
車内で、昔とまったく変わらない「峠の力餅」の包み紙を開いて・・・。
かつての峠越えを懐かしむのです。

峠の力餅http://www.togenochaya.com/(写真も引用させて頂きました。)

通弘

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