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2006年6月30日 (金)

「砂蒸し温泉」

昨日から鹿児島におります。
東京は雨と湿気で気持ち悪いお天気だそうですが、こちらは気持ちのいいお天気で、
すっかり夏という感じです。

今日は指宿温泉に連れて来ていただきました。指宿温泉といえば砂蒸し温泉が有名です。砂蒸し温泉とは、地熱で暖められた海岸の砂の中に体を埋められて、体を暖めるものです。体が芯から暖まります。毛穴から汗が吹き出して、身体中の悪いものが汗と一緒にみんな出ていく感じがしました。最高に気持ちが良かったです。

海の青、空の青。雲の白、松のみどり。自然の色が、こんなにきれいなものだとは、毎日の忙しい生活の中で気が付きませんでした。初めて海や空や木々を見たような気がしました。そして地熱といい、砂といい、みな自然の力です。今日は、自然の恩恵をいっぱい受けて、身体中に力がみなぎるように思いました。

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写真は指宿温泉白水館からの景色です。

白水館 http://www.hakusuikan.co.jp/jp/

通弘

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2006年6月27日 (火)

「目には見えないもの」

 25日の日曜日に私の住まいである酒々井町の新しい会館で、初めて演奏させて
いただきました。私の家から、歩いても15分くらいの「プリミエール酒々井」です。
東京からスタッフの方々が車で迎えに来ていただきましたが、荷物だけ運んでもらい、私は家から歩いて会館までまいりました。自宅から歩いて演奏する会場まで行くなんて、もしかしたら私にとって初めてのことかもしれません。

 かれこれ20年近く前から、私の演奏を観に来て下さるお客様がいらっしゃいます。
主催者より、埼玉県にお住まいの方で入場券を買って下さった方がいる、ということを聞き、もしかしたら私はいつも応援してくださるあのお客様だ!!と直感いたしました。

JR酒々井駅から酒々井町の会館までは歩くと15分以上かかり、しかもなだらかな登り坂になっています。駅前にはタクシーはおりません。お年を召したあの方にとって、駅から会館まで歩くことは、とてもきついと思いました。しかし迎えに行くとしても、酒々井に来るのにはJR線と京成線の二つの方法があります。また何時の電車でいらっしゃるのかも分かりません。
私は、あの方が今までの長い歳月、いろいろな演奏会場に見に来て下さったこと。四季おりおりの品物やお手紙を送って下さったことなどを、思い出していました。するとなぜか、「JR線の12時23分着の快速電車に乗っていらっしゃる」というような気がしてならなくなってきたのです。
思いきってリハーサルが終わった後、スタッフと一緒に酒々井駅に行ってみました。すると12時23分着の快速電車から、あの方は降りていらしたのです。その時私の心の中が、何か暖かいもので満たされていくような感じがしました。そして私の心は「ありがとうございます。ありがとうございます。」と言っていました。

そして今日の舞台もまた、一生懸命つとめさせていただきました。

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いつも応援してくださる皆さま本当にありがとうございます。

通弘

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2006年6月25日 (日)

「机上の写真」

私の机の上には、一枚の写真があります。
師匠と、師匠の奥さんと私、三人が写っています。

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この写真は師匠が亡くなる一ヶ月ほど前、私が師匠に最後に会った時に撮ったものです。この頃の師匠は薬の副作用のせいか、物忘れすることが多くなっていました。ある兄弟弟子が先生に「おはようございます。」と言っても、先生はきょとんとした顔で、返事もしてくれないこともあったようでした。その兄弟弟子は「先生は私のことも分からなくなっちゃったのかなぁ。」とショックを受けていたようでした。私はこの日、山唄(弘前の師匠のお店、津軽三味線ライブハウス。弘前駅前にあります。)に着くと、真っ先に師匠に挨拶に行きました。すると師匠は急に嬉しそうな顔をされて、「遠いところまでよく来たな。三味線弾け!」と、舞台に顔を向けたのでした。私は津軽小原節を弾かせていただきました。私が弾いている間、師匠は私を真剣な眼差しでじーとw)見つめて、身じろぎひとつしません。その師匠の視線を感じながら三味線を弾いていますと、師匠の目が、メガネごとだんだんだんだん大きくなってきて私に迫ってくるのです。そして目が開けていられないほど、金色にぴかぴか光ってきたのです。私はもう何がなんだかわけが分からなくなってきて、とにかく無我夢中で三味線を弾きました。この時が、私が生きている師匠の前で三味線を弾いた、最後になりました。「舞台で演奏するより、先生の前で演奏する方がよっぽど緊張します。」と、私のお弟子さんはよく私に言います。お弟子さんのその言葉を聞くたび、私はこの時のことを思いだします。

私は忘れることができません。
師匠のきびしくて暖かい、あの大きな大きな、私を見つめる目を。

津軽三味線LIVE HOUSE『山唄』
http://www001.upp.so-net.ne.jp/ryuken/yamauta.html

通弘

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2006年6月20日 (火)

「峠の力餅」

~通弘の小話 その1~

列車で山形に向かう時、福島を過ぎると板谷峠を越えます。

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ここは昔から交通の難所であります。今から二十数年前、私が弘前の先生の所に
向かう時も、よくこの峠を越えました。福島駅からは、機関車の前にさらにもう一両
の機関車をつなげて、峠に挑みます。やがて連続した急坂を登るうちに、列車はま
るで人が歩くような速度にまで落ちてしまいます。「はたしてこの列車は、この峠を
越えることができるんだろうか?」と、不安になりました 。やっとの思いで峠の駅に
たどり着きます。駅のまわりは山また山。人家もなく乗降客もなく、停車している列
車はしーんと静まりかえっています。すると窓の外からしぶーい声が聞こえてきます。
「ちからもちー。」「ちからもちー。」峠の力餅の売り声です。素朴な手作りの大福餅。
それを、旅の無聊を慰めようとする旅人達が、先を争って買い求めるのでした。

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今は、板谷峠を越えるのは、新幹線電車です。
その昔、あえぐようにして登っていた峠を、あっという間に通り過ぎてしまいます。
そして「峠の力餅」は、今でも新幹線の車内販売で買うことができます。新幹線の
車内で、昔とまったく変わらない「峠の力餅」の包み紙を開いて・・・。
かつての峠越えを懐かしむのです。

峠の力餅http://www.togenochaya.com/(写真も引用させて頂きました。)

通弘

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2006年6月18日 (日)

「私はゴゼさん」

昨日から越中富山に来ています。
今、高岡の駅から皆様のお見送りを受けて、帰りの特急に乗ったところです。

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昨夜は大きなお屋敷の広間で演奏させていただきました。集まったお客様は、
そのお宅のご親戚やご友人の方々。まさしくアットホームな演奏会でした。
そのお座敷は三味線の響きが素晴らしく良かったのです。また、集まったお客
様の雰囲気が暖かく、とても穏やかな暖かい気持ちで演奏することができました。

昔、私達の芸の遠い祖先である越後のゴゼさん達は、ひとつの村に着くと、その
村の一番大きなお屋敷に泊めていただき、そこのお座敷に村の人達を集めて演
奏をしていたのだそうです。

そして今日は産婦人科のクリニックで演奏させていただきました。斬新なデザイン
の素敵なクリニックです。今日集まって下さったお客様もまた、暖かい方々でした。
このクリニックも、また三味線の響きがいいのです。ふつう新しい建物や病院などは
つらい響きの所が多いのですが、三味線の音の響きというのは、建物の構造より
聞いて下さるお客様の気持ちで変わるのだろうか?と、思ってしまいました。

通弘

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2006年6月17日 (土)

「さくらんぼ」

先週、尺八の矢下勇厳先生のお仕事で山形に行ってきました。
先生のふるさとの、朝日町のホールでの演奏です。ホールのまわりは、
自然いっぱいでした。
ホールのロビーで水を買おうとしたら、他の飲料はたくさん売っているのに、
いくらさがしてもミネラルウォーターだけは売っていないのです。
仕方が無いので、トイレの洗面所の水をおそるおそる飲んだら。なんとその
水のおいしいこと。トイレの水でさえこんなにおいしいのだから、朝日町の方々
は水を買うなんて考えられないくらい、おいしい水を飲んでいるのでしょう。

公演日の前日には、さくらんぼ畑に案内していただきました。まだ収穫には早く、
さくらんぼはみどり色や黄色でした。でもとてもきれいな色でした。

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今売っているさくらんぼは「加温」と言って、大きなビニールハウスで栽培したもので、
片方の手の平にのるくらいの量で1000円くらいするのだそうです。
その加温のさくらんぼも食べさせていただきました。
そのお味は、お金に変えることができない、すばらしいおいしさでした。

通弘

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2006年6月12日 (月)

電話インタビュー。

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先日といっても大分前になりますが青森放送のラジオ番組で電話インタビューを受けました。私の師匠、故山田千里を特集した一時間番組でした。

出演者はアナウンサー、高橋竹山さんのお弟子西川さん。津軽民謡研究家の、三名の方々でした。電話インタビューというので、私は2、3分のことと思っていたのですが、結局インタビューは20分近くにもなりました。

私は、「師匠、山田千里は、山のように、大きな人でありました。」と話しました。師匠はそれほど背も高くない人でしたが、ひとたび舞台に上がればまるで巨人のように、大きな大きな人でした。また舞台の上だけでなく、普段の時も多くを語らす゛。我々弟子達に対しても、話して教え諭すというより。自分で実践しておこなって、後ろ姿で教えるという人であったような気がします。まさしく師父、私にとって津軽三味線の親、父でありました。インタビューの途中では、私のリクエストで師匠の「津軽あいや節」を流していただきました。それはありし日の師匠の、舞台上での息遣いまでも感じさせる演奏でした。その時ふと、「このインタビューはなぜ私が受けるんだろう。」と思いました。わざわざ千葉まで電話でインタビューをしなくても、青森県にはたくさんの師匠の高弟がおります。

師匠の「うわーん、うわーん。」とうなるようなその演奏を聞いているうちに、そのうなりの中から師匠の声が聞こえてきたような気がしたのです。「通弘、おめが、しゃべればいいんだ。」

佐藤通弘
http://www.tsugaru-michihiro.com

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2006年6月 8日 (木)

「音や金時ライブ」

先週、3ヶ月ぶりに音や金時ライブがありました。
一緒に演奏していただいたミュージシャンは、ジプシーヴァイオリンの太田惠資さん、
タブラの吉見征樹さんでした。当日はたくさんのお客様に来ていただき、大変盛り上が
ることができ、とても嬉しかったです。

ライブハウス音や金時は、三味線にとって、音の響きがとてもいい場所のひとつです。
ヴァイオリンとタブラは、音量のバランスをとる為にマイクを通していますが。三味線は
まったくの生の音です。
会場の大小にかかわらず、生の音で演奏できて、変質せずに三味線そのままの音で
演奏できる会場は、なかなか無いものです。
私はライブハウスでの演奏が、どうも苦手でした。ホールでは、いくらお客様が多くても
少なくても。お客様がどんな感じで聞いていても。客席を暗くして、舞台の上でスポット
ライトを浴びれば、自分の世界というか、自分で作ろうとしている世界に入ることができ
てしまいます。でもライブハウスですと、目の前にお客様がいて、お客様の前で演奏し
ている自分という現実が見えてきてしまいます。
ですから我に返ってしまい、照れくさい恥ずかしいみたいな気持ちが出てしまうのです。
でもこの頃は、おかげ様で少しずつライブハウスでの自分の気持ちの持って行き方が、
わかってきたような気がします。
ホールでは、まず自分の世界を作り上げて、その世界にお客様に入って来ていただく。
ライブハウスではお客様と一緒にその場を作り上げて行く。そう考えると、ライブハウス
での演奏が、だんだん楽しくなってきました。今後の音や金時でのライブの予定は、7月
19日
9月25日です。
まだ音や金時にいらしたことの無い方は、ぜひ一度いらして、生の三味線の音を試してみて下さい。そして一緒に盛り上がりましょう

通弘
http://www.tsugaru-michihiro.com

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2006年6月 6日 (火)

私のパソコン

私のパソコンは10年近く前のものです。

実家の父が新しいパソコンを買ったのはいいけれど、全然使うことができず。
接続料金を払うのがもったいないので、接続をやめたパソコンがそのまま放置されている、と聞いたので。
それをもらい受け、私の家で使うことに致しました。
私はもちろんパソコンの接続の仕方などは分かりませんので、いつも私の事務的なお仕事を手伝っていた
だいているパソコン販売会社の方に接続をお願いました。
すると、私の家のパソコンはISDNで、父のパソコンはADSLに繋いであったので、このままでは使えないとのことでした。そして私のパソコンの動作が、大変遅かったということがわかったのでした。
この文を読んでいらっしゃる皆さんはきっとよくおわかりのことと思いますが。ISDNで、しかも古い私のパソコンは、使い始めるまでに3、4分くらい、ひとつ画面が変わるまで1、2分くらいかかるのです。
私は、パソコンというものはそれが普通だと思っていたのでした。結局父のパソコンは、今日は接続することはできません。でもせっかく来て下さったので、使い方を教えていただき航空券を一枚取りました。
私はそれがとても面白かったので、その方が帰った後で、他の航空券もパソコンで取ることにしました。
すると途中で、間違って違う航空券を取ってしまったことに気が付きました。
私はパソコンに向かい、それから約時間。 悪戦苦闘を繰り返しましたが、とうとう正しい航空券に変えることは出来ませんでした。
仕方なくその晩はあきらめ、次の日の朝。航空会社に電話をしました。電話では3分もかからずに正しい航空券に変えることが出来ました。
結局昨夜の四時間の苦労は何だったのか?!四時間もパソコンに接続した電話料金は何だったのか?!
最初から電話で航空券を取れば、約3分で無料で取れたものを・・・。(航空会社には0120の無料電話でかけました。)

デジタル時代が当たり前の世の中、私は、時代遅れの三味線弾きなのでしょうか?!

通弘

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